第73回「夏深し」投句公開

一   夏深しおくりおくられなびく髪 
二   夏深し布滝透す石の肌 
三   二人から川の字になり夏深む   
四   汗かきて裡のお掃除夏深し 
五   夏深し潜(くぐ)りの門の蟇股(かえるまた)  
六   川辺笑む誰ぞ撮ったげて夏深し 
七   夏深し彼の人のゆく幾百里
八   夏さびて深々となる鼻の穴

※投句済で掲載されていない方はお知らせ下さい。
【選句方法】自作以外でもっとも佳いと思った一句とその評を、右の投稿フォームにてお送りください。〆切は月末です。選句はオープン参加ですので投句していない方もどうぞ。

第72回「五月雨」結果発表

体句賞2点(2句あり)
わら葺の五月雨ききて墨をする こより
●「五月雨の過ぎて息吐く萱の屋根」落花生
●「わら葺屋根に雨が滲みてくる感じがなんともいい感じです」あずき
牛買と牛の小脛や五月雨るる 蘆白
●「ともにあった農の風景が懐かしい」こより
●「ふりかえる少年のまなざし何うつす」伊藤

1点句
五月雨や足攫らわれて夢醒めぬ すずめ子

●「音の心地よさにうとうと・・・ふっと起こされる。五月雨降り続く景色です」万作
五月雨の空を見つめて次を待つ あずき
●「しかし雨とか次のことなど全く知らず次までを目一杯に動いているからだのことだ」荘丘
五月雨やゆばりぶくろを通り抜け 小麦
●「ゆばりぶくろと最上川は等価」蘆白

7月の兼題「夏深し」
夏も盛りの土用のころである。<夏闌(たけなわ)・夏深む・夏さぶ>
うすもやをこめて菜園夏深む 蛇笏
みちのくの夏闌の案山子かな 汀波
「7月の兼題は落花生(俳号)が担当しました」

体句の条件①からだ言葉(腹、腰、胸などの身体に関する語句)を入れる。②575の型を守る。③和語(訓読み)を用いる。投句はお一人一句、下記メールフォームにて。〆切は15日。投句公開は20日頃、選句の〆切は月末。結果発表は翌5日頃になります。

第60回「葵」結果発表

体句賞  3点
 空耳を走らせるひと花葵  蘆白

●「ゆく道に葵の群れ咲く庭また庭。そのあでやかさは聴覚をも刺激する。どうぞ迷子になりませぬように」野路子
●「さらりとしてて佳い」こより
●「日常からそう遠くはない、崩され感。軽さが夏に爽やかです」雪人

2点句
ぜにあおいはな先咲くや明けのつゆ 空(あお)

●「夜明け土岐のみずみずしさに息をのみます」落花生
●「音楽的に思えました」小麦

1点句
葵草あした跳び立つかたちかな 野路子

●「新しいことに向かうときの胸の感じ」捨無名
ぶつかってふたりの肩の葵かな ふうりん
●「声に出してみたときの抜け感が晴れた夏の感じのようでした」畦道
立葵志欲し空目指す  あずき
●「志欲しのしの繰り返すほどに、立葵の姿がしなりました」ふうりん
立葵そよぐ晴れ間に腹をわる こより
●「どのような感覚なのか味わってみたいです」あずき
手と手打ち水を喜び葵立つ  小麦
●「水のありがたさを素直に喜べる句です」 玄米
立葵手の力知る聖書かな 石川順一
●「句作とは新しいことへの挑戦。作者の姿勢が心地よい」蘆白
耳飾るあおい匂わす乙女かな  落花生
●「ハイビスカスのような華やかさ立葵、乙女の装い」伊藤

7月の兼題「時鳥(ほととぎす)」

junichi yamadaさんの動画からお借りしました。


第48回「夏の月」結果発表

体句賞 2点(4句あり)

こそ泥のひげ照らしてる夏の月 雪人
●「猫の髭はことさら剛毛で光沢あり。夜涼に妖しく光る」祐子
●「泥棒は雨天を好むらしいですが、月夜にお勤めをしちゃうところがこそ泥らしくて良いです」小麦

夏の月風もろともに腋の下 小麦
●「夏は暑くてベタベタして大嫌いですが、この句を読むと気持ちがいいです」玄米
●「どこかとげとげした、けれども守りにはっていない挑戦的な空気に惹かれました」蘆白

ぶらりひゃらり肩に影のび夏の月 ごまめ
●「言葉の響きが楽しいです」あずき
●「歌を奏でる大きな月に、妖しくも何かが起こりそうな、心色めく夜のひととき」落花生

背にたきぎ見はてぬ夢に夏の月 乱風
●「いつの間にか、たきぎはなくなっていて、くりかえし読んだ本はいっこうに身に付かなかった。ただ続いているのは夢という、たわいなくかけがえのないもの」ごまめ
●「見はてぬ夢を、追いかけ続ける。炎の色違うたきぎ、一本、一本、を燃やしながら」ふうりん

1点句
夕暮れてうなじに灯る夏の月 落花生
●「夏のにほひ、を感じます」畦道
爪弾いた音色に宿る夏の月 畦道
●「(つまびいた)・・・これは夏の月という感じしますね。いいですね。それともうひとつえらべるなら、一(てのかたち)、あかちゃんのやさしい手を思い浮かべました」荘丘
夏の月なにも持たない手のかたち  蘆白 
●「ひとりと心つぶやいた色」雪人


伝言板
< 雪人さん「誰が影さそうかほりかな」ありがとうございました >ふうりん


7月の兼題「滝」
「水が沸き立つ」「水が激しく流れる」といった意味の「たぎつ(滾つ・激つ)」と同源。 奈良時代には、「たき」と「たぎ」の両形が見られる。 この頃は、「急流」「激流」など川の流れの激しい所をいい、現在の「滝」にあたる言葉は「たるみ(垂水)」であった。平安時代以降から「たき」で定着。-語源由来辞典より抜粋。
古くから滝は神聖さを象徴するものとして崇められそれにまつわる言い伝えや物語も多い。
参考句
滝をのぞく背をはなれゐる命かな  原石鼎
滝の上に水現れて落ちにけり    後藤夜半
結果より過程と滝に言へるのか   御中虫

第37回「泉」結果発表

体句賞    3点(2句あり)

しずやかにひとたり話す泉あり  雪人
●「流れの中で泉の湧く処がいいなあと思いました。涼しい風が吹いています」落花生
●「季語は『泉』ですが、『しずやかにひとたり話す』で意味的に切れて居るのでしょうね。で、ないと話すのが『泉』になって仕舞うので」石川順一
●「清らかです。見ていると文字が、流れていくように見えました」ふうりん

泉揺る初めて髪をあむやうに 蘆白
●「泉と乙女の密やかな交歓。『泉揺る』がいいですね。新鮮」祐子
●「どきっとしました」まゆみ
●「あたらしい動きが背後から次々に生まれてくる。透明でドキドキします」山吹

2点句
旅人のひとみと泉交じらわむ 落花生

●「旅人に泉を移しまた旅に」ごまめ
●「和む瞬間をとらえたやさしい句です」蘆白
手にあふるいずみにすみし空に風  乱風
●「風が見えるようですね。手中の水は泉の分身」小麦
●「速度感があるように思えました。五七五それぞれが連続的ではなく切れているのに、何処かでつながっているところに惹かれました」瓜助
手のひらのくぼみにぽつり泉湧く ふうりん
●「世界で一番小さな泉ですね。『ぽつり』が好きです」玄米
●「掌のくぼみに、ありそうにないことが起きて、驚きと喜びがふっと湧いてきます。五番も、もしかしてと思わせる楽しさがあります」饗歌
身の奥の再び生る泉かな ごまめ
●「身の奥の  で涼しさを誘われるように思います。泉は、枯れずですね」ふうりん
●「奥から泉が湧いてくるということは希望がもてるということでしょうか」あずき

1点句
青空も顔も映さず枯れ泉 小麦

●「私にぴったり。ぴったりすぎて大笑いしました…。十一番も八番に劣らず気に入っています。『無限の夢』」伊藤


8月の兼題「夜顔(よるがお)」
名前のとおり夕方ごろから咲き始め朝にはしぼむ。葉はハート形。香りも強い。朝顔と同じ種。同じ夜型の夕顔とは種類が違う。

※今回の兼題にはすでに、からだ言葉「顔」が入っていますので、他のからだ言葉を入れる必要はありません。
夜顔
↑